ZIGHOUSE
私を含む5人が、卒業設計とした建物をご紹介します。建物は1981年~1986年までの5年がかりとなり、
卒業の年に完成とはならず、その後メンバーはそれぞれ社会人へ・・・。
場所は長野県小県群長門町(ちいさがたぐんながとちょう、と読みます)姫木平の別荘地。TVでは「北の国から」、カセットテープからは「大瀧詠一 A・LONG・VACATION」
基礎は枕木の交点に一本ずつの計27本のヒューム管の独立基礎。
その高さは斜面と枕木の積む量を考え調整。
ZIG HAUSUは枕木をZigZagに組み上げるのでZIGです。コンクリート製に変わりつつあり、保線区には栗材の良質な物が山積みになってました。構造は、枕木組積工法(?)。枕木1本50~60㎏。人一人分を、積み上げます。
作業中の食事は全て炊き出し。アルマイトの弁当箱に、ご飯と梅干し、沢庵のみ。
斜面(30度位)の遣り方は大変でした。直角は、3:4:5の大矩(おおがね)を貫板で作り、4,5段積むと透明ホースに水を入れた水準器?で水平を見ます。次に積む枕木の欠く深さを変えてゆきます。そしてこの繰り返し。
登り梁となる電柱の荷揚げは冬の雪を利用し斜面を滑らせ人力で持ち上げました。足元も滑るので大変。
初夏、新緑のカラ松林の向こうには、 蓼科山麓。
普通の建物の現場と比べますとなんか物足りない感じがします・・・。
仮設がないのです。仮設の外部足場、仮囲い(これは無くてもいいですね)積み上げてゆく隙間のあいた枕木が梯子になり、足場板を渡す台となりました。しかし、板張りのみの場合は、この様にアクロバット状態に。
棟上げまで1年半、屋根・内外装・建具・設備に3年半。計5年がかりで完成。社会人になってからは、あまり作業に参加できませんでしたが、後輩達が引き継いでくれました。
2010の夏、30年ぶりに当時の先生をお招きしました。それぞれの家族を連れてテーブルを囲み、賑やかな夜を過ごしました。
建設地 |
長野県小県群長門町
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構 造 |
枕木組積工法(?)
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規 模 |
延床面積 105.7m2(32坪)
1F 58.29m2(17.60坪)
中2F 47.43m2(14.35坪)
ロフト 47.43m2(14.35坪)
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施 工 |
自力
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青春グラフィティ。